オルタナティブスクールとは~フリースクールとは違う新しい学校のカタチ~

オルタナティブスクールとは

オルタナティブスクールとは代替教育と呼ばれるもので従来の学校(一条校*1)とは違う新しい学校の選択肢です。教育内容は一条校と異なり学習指導要領にとらわれていません。オルタナティブスクールによって大きく違いはありますが一条校に比べ教育のありかたを追求している学校が多いように思われます。

今まで認可外の学校というとフリースクールが一般的でした。フリースクールは、不登校や学校に行けない子どもたちの居場所としての側面が強い場所です。オルタナティブスクールは、学校になじめない子どもだけでなく一条校に物足りなさを感じる子どもや保護者も対象となります。従来のフリースクールと昨今のオルタナティブスクールは子どものためという目的に違いはありませんが、その思想や理念が大きく異なります。

国からの認可を受けていないため色々な注意点はありますがそれでもオルタナティブスクールを選択する人達がいます。昨今の画一的な教育に疑問を感じる人がそれだけいるのではないでしょうか。

*1:国からの認可を受けた教育施設で文部科学省の学習指導要領に基づいて運営している。

フリースクールとの違い

冒頭でも触れましたがフリースクールとオルタナティブスクールは同じ認可外学校ではありますが、その成り立ちや思想に大きな違いがあります。

フリースクール・主に不登校の子どもが通う
・子どもたちの居場所としての意味合いが強い
・認可外の学校
・基本的に一条校への復帰を目的としているところが多い
オルタナティブスクール・新しい教育を望む子ども(親)が通う
・体験型学習などの施策で子どもの可能性を伸ばすのが目的*2
・多くは認可外の学校
・一条校への復帰を子どもや保護者が望んでいない

*2:オルタナティブスクールによって運営方針が異なります。

フリースクールは、一般的には学校(一条校)に通えなくなった子どもが学校の代替として利用する施設です。選択肢としての学校ではなく救済的に意味合いが強く何かしらの問題を抱える子どもが多い傾向があります。学校に行けなくなった子どもたちの居場所という意味合いが強いです。

オルタナティブスクールは、従来の学習指導要領に基づいた教育に疑問を持った保護者や子どもが積極的に利用する認可外の学校です。従来の学校にない異年齢学級や体験型学習など子どもたちに合わせた教育が特徴です。結果として不登校の子どもが通うケースもありますが、一条校とは違った子どもの可能性を伸ばせる新しい教育を求める子どもや保護者も対象となります。

フリースクールとオルタナティブスクールの特徴を上げましたが多様化してる昨今その境界線があいまいになりつつあります。オルタナティブスクールに近いフリースクールなどもあり代替教育はさらに多様化してくることでしょう。

オルタナティブスクールの注意点など

オルタナティブスクールは基本的に認可外学校であるためいくつかの注意が必要です。子どもたちに合わせた素晴らしい理念があっても外部環境に問題を抱えています。

高額な費用

認可外学校では費用が高額になるという問題があります。認可学校では国から生徒一人につき約100万円が補助される仕組みですが認可外のオルタナティブスクールではこの補助を受けることができません。教育の効率化を考えると画一的な文部科学省の学習指導要領に基づいた教育がいいのかもしれませんが、それ以外の選択肢を選んだ場合この補助金が受けられなくなってしまうのです。そのため、オルタナティブスクールの学費は高額になる傾向があります。

学校によって教育内容が大きく異なる

認可校では基本的に学習指導要領に基づいた教育のため画一的でどの学校もそれほど大きく異なることはありません。しかし、オルタナティブスクールではサマーヒル、シュタイナー、モンテッソーリ、イエナプランなど大まかなくくりはありますが学校によって理念や運営方針が大きく異なります。子どもの居場所というだけでなく「新しい教育」と考えた場合子どもや保護者が求める学校を見つけるのは非常に困難です。

例えば同じサマーヒルでも創設者の理念が違うとまったく違う学校になってしまいます。なのでオルタナティブスクールだから安心などの考えは危険です。オルタナティブスクールは桃源郷ではありません。子どもの未来を考えるのであれば保護者自身が自ら考え行動することが必要とされるのではないでしょうか。

圧倒的に数が少ない

前述でオルタナティブスクール選びが難しいと述べましたがさらに問題があります。それは日本国内のオルタナティブスクールが圧倒的に少ないことです。従来の学校にマッチせずに不登校になっている子どもの数を考えると圧倒的に足りていません。オルタナティブスクールは国からの補助もなくビジネス的なメリットもないため需要があったとしても急増するようなことはないでしょう。

オルタナティブスクールはその性質上立ち上げても経営が困難で閉校するところも多いと聞きます。これらの理由から準備段階で断念される方も多いです。昨今教育移住なども話題になっていますが、地理的な問題でオルタナティブスクールを選択肢に入れることができません。

まとめ

学校の新しい選択肢として生まれたオルタナティブスクールでありますが国政なども含めまだまだ外部環境が整っていません。認可外のため学費など保護者や運営者にとって厳しい状況ではありますが、子どもの未来を守るためにも必要な学校であると考えます。